広島県発|介護はもう“3K”ではない!ー20年変わらなかった働き方を変えた、業務見直しとテクノロジー活用の実践 ー

広島県発|介護はもう“3K”ではない!ー20年変わらなかった働き方を変えた、業務見直しとテクノロジー活用の実践 ー

介護現場の生産性向上に関するガイドラインの作成など、2017年から国の施策づくりに関わり介護分野の変革をリードしてきた株式会社TRAPE(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長:鎌田大啓)は、ウェルビーイングにあふれた介護事業所の実現を目指し、現場の業務改善やDXに不可欠な「チームづくり」や「課題の見える化・分析」を支援する無料のオンラインツール「生産性向上くん®」の提供と、「生産性向上」「働きがい向上」「リーダー育成」を同時に実現する伴走支援サービス「Sociwell(ソシウェル)」を展開する中で、令和7年度 広島県介護生産性向上総合相談センター様(社会福祉法人広島県社会福祉協議会“介サポひろしま”様が広島県より受託)の業務アドバイザーを受託し、広島県内で生産性向上の取組みを行う3つのモデル介護事業所に対して伴走支援を実施しました。

なぜ介護現場に生産性向上の取組みが必要なのか

介護現場では、人材不足や業務の多忙化が進み、本来介護職員が価値を発揮すべき利用者との関わりに、十分な時間を確保しにくい状況が生まれています。奈良県においても、人口減少や高齢化による介護人材確保が困難な状況であり、こうした中で求められているのが、業務の進め方や役割分担を見直し、必要に応じてテクノロジーも活用しながら、現場に余力を生み出し、「自分たちのありたい姿」を実現するための「生産性向上」の取り組みです。

一方で、国によるICTやロボット機器の導入促進が進む中でも、現場からは「導入したけれど使いこなせない」「何から手をつければよいかわからない」といった声が少なくありません。つまり、テクノロジーを導入すること自体が目的ではなく、現場の目線をそろえ、現場の課題に合った形でテクノロジーを活用することが重要です。

弊社は、広島県介護生産性向上総合相談センター様の業務アドバイザーとして、介護事業所からの相談対応に関する助言・支援をはじめ、研修会の講師、モデル介護事業所への伴走支援、革新会議の運営支援を担いました。

今回ご紹介するモデル介護事業所の実践は、現場が「変わらない」ことに悩みを抱えていた事業所様が、介護テクノロジーの活用や仕組みの構築によって働き方の変化を生み出した好事例です。ぜひご覧ください。

3つのモデル介護事業所の取組み内容と成果(一部) 

社会福祉法人石川福祉会 居宅介護支援事業所桜が丘保養園
課題: 外出先での記録や書類の活用ができず、非効率な事務作業に追われて利用者と向き合う時間を作れない
取組み: 介護ソフトと書類管理ツールのクラウド化により、外出先でも事務作業ができるようにする
成果: 外出先で効率よく記録や書類作成ができるようになり、利用者のアセスメントにかける時間が増えた

医療法人明和会 介護老人保健施設あけぼの
課題: コールがなっても誰も対応しようとせず、居室での利用者の転倒など事故の発生につながっていた
取組み: 各勤務帯の業務の流れを見直し、コール対応の役割を明確にした
成果: 誰がコール対応をするのかが明確になり、居室での事故やヒヤリハットの件数が減少した

株式会社松広 グループホームこうご
課題: 毎日の入浴実施者数にばらつきがあり、利用者の入浴回数が週1〜2回となっていた
取組み: 各利用者が週2回以上入浴できるように1週間の入浴予定表を作成し、毎日の入浴者数を明確にした
成果: 入浴予定者の柔軟な変更も影響して利用者の入浴回数は増加し、職員が仕事を楽しいと感じるようになった

【取組みにより事業所から出てきた前向きな変化の声】

  • 20年間ずっと変わらなかった働き方が変わった
  • 訪問先や車中でその場で記録・プラン作成・修正が完結できるようになり、業務スピードが上がった
  • 音声入力やスキャンなど新しい技術に触れることで、常に新しいものを取り入れようとする意識に変わった
  • ケアマネ同士のコミュニケーションが増え、協力して現場の課題を解決していく文化が生まれた
  • 役割分担の仕組みが定着し、担当者が現場を離れる際の声かけなどが自然に行われるようになった
  • 取組みの中で増えた職員同士のコミュニケーションをさらに促進するためにも、インカムの活用を検討していきたい
  • 週3回の入浴が全利用者に定着しつつあり、週4回入浴できる利用者も出てきた
  • 職員が「この方は皮膚トラブルがあるから毎日入れよう」と判断するなど、主体的・自律的なケアが生まれた
  • 成功体験を通じて達成感が醸成され、職員の主体性と意欲の向上につながった

本モデル事業所が発表した成果報告会は、介サポひろしま様のHPにて閲覧することができます。
https://care-robot.org/topics/news24/index.html

モデル事業所の経営者様からの声のご紹介

社会福祉法人石川福祉会 
居宅介護支援事業所桜が丘保養園
理事長
伊東 富美子様

 

 令和7年度に居宅介護支援事業所がTRAPEさんに伴走支援に来ていただいて、今年度も他事業所での取り組みにつながっていることが 私たちの法人にとって大きな成果です。私たちの法人は、高齢者、障がい、保育など、入居・通所・訪問の事業所が11事業所あり、どこの事業所でも取り組んでみたい内容でした。
キックオフミーテイングの中で、格好よく仕事がしたい、未来人になりたい、アセスメントに時間を使いたい、記録が多い、保管が大変、休日の対応があるのが、、、などの声が一人ひとりの職員から聞かれたことが良かったと思いました。初めのアンケートから、日常、業務の中で課題としていることが見える化され、分析されていく中で、職員同士の意識がまとまってきて、ワンプレーになりがちなケアマネ業務がチームプレーになっていき、事業所として利用者とかかわっていく様子が感じ取れました。
福祉の業界で働くスタッフのために 他の法人でもこの取り組みを取り入れてほしいと思います。この業界に就職される方は優しく、思いやりがある方がほとんどです。数字で評価するのが難しい業務だからこそ、一人ひとりの強みが活かされて、働き甲斐のある働きやすい環境を提供していくことが 私にできることだと感じました。伴走者の方は気長に丁寧に支援していただき、向き合っていただきました。昨年居宅介護事業所が受けた支援を 他事業所に波及していき福祉の質の向上に役立てていきたいと思います。

医療法人明和会 
介護老人保健施設あけぼの
事務長
益田 圭一郎様

 今回の取り組みでは、見守り業務における課題を可視化し、役割分担を明確にしたことで、現場の連携力と対応の質を大きく向上することができました。特に、日々の業務の中で感じてきた課題を率直に共有し、改善策を検討し、実行に移した職員の姿勢は大変心強く、組織としての大きな力を感じるものでした。こうした主体的な取り組みこそが、当法人の理念である「地域の方々に安心していただけるサービス」と「職員が生きがいを持って働ける環境」の双方を支える基盤につながると考えています。
今回の成果は、単なる業務改善にとどまらず、利用者の安全性向上、職員間のコミュニケーション活性化、そして組織としての一体感の醸成へとつながりました。職員一人ひとりの努力と協力が、この前向きな変化を生み出してくれたことに、改めて感謝いたします。また、今回の取組みで培われた「課題を共有し、役割を整理し、現場で運用していく力」は、今後テクノロジーを導入する際にも欠かせない土台になると感じています。
 今後も、現場の声を尊重しながら、テクノロジーの活用と働きやすい職場づくりを両輪として、地域に信頼される施設運営を進めてまいります。

株式会社松広 
グループホームこうご
代表取締役
松本 憲睦様

 本件の取り組みはテーマを設定するところから現場の職員同士が話し合い決められました。正直もっと高次元の取り組みを期待していましたが、まずは尊重し、信頼すべきだと思い見守りました。結果、ご利用者一人ひとりのQOL向上を最優先に考えた実践が着実に成果として表れています。入浴回数という切り口でしたが、その体制を整えるために、業務内容や時間配分の見直し、優先順位の整理についても、職員同士の話し合いを通じて決定できるようになったことは大きな前進です。上司任せにするのではなく、職員一人ひとりが自分事として考え、事業所運営に主体的に参加している姿勢がうかがえます。
 今後は入浴以外の支援場面にも展開し、さらに質の向上を図っていくことを検討している点も非常に意義深いものです。ご利用者の生活の質を高めるために、現場で検討し、答えを出し、実践につなげていることは、まさに生産性向上の本質を捉えた取り組みと言えます。このような姿勢と実践は大変素晴らしく、心から敬意を表します。今後のさらなる発展と質の向上を大いに期待しています。

介サポひろしま様からのコメント

(社福)広島県社会福祉協議会 福祉人材課長
介護職場サポートセンターひろしま所長
坂原 邦彦様

 広島県では、令和6年7月に介護職場サポートセンターひろしま(通称:介サポひろしま)を開設し、介護生産性向上の取り組み促進に向けたサポートをすすめています。
令和7年度もTRAPEの皆さまの全面的なバックアップをいただき、県内3事業所の伴走支援が実現できました。一番の成果は、特別養護老人ホーム以外の種別(グループホーム、老人保健施設、居宅介護支援事業所)の課題に取り組む実践事業所が生まれたことです。
 県内事業所に生産性向上の取り組みの第一歩を踏み出していただくためには、実際に生産性向上の取り組みをすすめ、光り輝く「先輩事業所」を身近な場所に増やしていくことが必要であると考えます。
また、令和7年度も「生産性向上普及促進セミナー」において、県内事業所に向けた取り組みの報告をいただきましたが、事業所ご担当者の初回訪問時と比べ晴れやかな表情と未来に向けた熱意ある発言が大変印象的でした。
生産性の高い職場づくりのためには、ミスや失敗を恐れない発言やチャレンジができる職場環境は不可欠であり、伴走支援は単に仕組みやテクノロジーの導入支援だけではなく、その職場風土づくりにも貢献できていることに改めて気づかされました。
令和8年度も3事業所の伴走支援を継続する予定ですが、「しんどいこともあったけど、やってよかった」という実体験の横展開とともに、「ちょっとやってみようかな」と気軽にご相談いただける身近なセンターづくりを目指してまいります。

主な事業実績先
厚生労働省
広島県
静岡県
山梨県
岡山県
石川県
和歌山県
神奈川県
滋賀県
愛知県
埼玉県
横浜市
柏市
堺市
山形市
寝屋川市
公益社団法人 全国老人福祉施設協議会
介護職業サポートセンターひろしま
あおもり介護生産性向上相談センター
国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター
社会福祉法人 横浜市リハビリテーション事業団
公益財団法人 いきいき岩手支援財団
社会福祉法人 兵庫県社会福祉事業団
FUJITSU 富士通Japan
freee株式会社
山梨県介護福祉総合支援センター
公益財団法人 介護労働安定センター 大阪支部
公益財団法人 介護労働安定センター 奈良支部
公益財団法人 介護労働安定センター 山口支部
公益財団法人 介護労働安定センター 鳥取支部
公益財団法人 介護労働安定センター 佐賀支部
公益財団法人 介護労働安定センター 石川支部
公益財団法人 介護労働安定センター 茨城支部
公益財団法人 介護労働安定センター 香川支部
シルバー新報
月刊高齢者住宅新聞
シルバーケア新聞
あいちロボット産業クラスター推進協議会
社会福祉法人 愛媛県社会福祉協議会
一般社団法人 栃木県老人福祉施設協議会
一般社団法人 鹿児島県老人福祉施設協議会
一般社団法人 新潟県老人福祉施設協議会
社会福祉法人 徳島県社会福祉協議会 徳島県老人福祉施設協議会
岡山県老人福祉施設協議会
広島県老人福祉施設連盟
社会福祉法人 青森県社会福祉協議会
社会福祉法人 富山県社会福祉協議会
一般社団法人 山形県老人福祉施設協議会
北海道デイサービスセンター協議会
岐阜県デイサービスセンター協議会
福井県デイサービスセンター協議会
九社連老人福祉施設協議会
佐賀県介護老人保健施設協会
広島県介護老人保健施設協会
一般社団法人 滋賀県介護老人保健施設協会
一般社団法人 全国介護事業者協議会
中・四国身体障害者施設協議会
一般社団法人 日本福祉用具供給協会 中国支部
大分県社会福祉介護研修センター