「孤独」。今日本ではこれに関連した事件が連日報道され、「孤独」について考える機運が高まっています。
アメリカ心理学会は2017年の年次総会で、孤独感が肥満よりも深刻な脅威である可能性があり、その社会的インパクトは無視できないものになっていると発表し、人々が社会的なつながりを実感できる場を創設する必要性を訴えた。
「孤独」は、日本だけでなく、グローバルに切実な課題になっていといるということですね。
引用元記事:https://www.businesswire.com/news/home/20190430005135/en/ (April 30, 2019 03:59 AM Eastern Daylight Time)
(以下本文記事より抜粋)
最新のストックホルム郡評議会の報告によると、25万人以上のストックホルム人が深刻な孤独を経験しており、スウェーデンは世界で最も孤独な国の1つと見なされています。そして、その中でも高齢者が最も多くなっています。
アクセンチュア(NYSE:ACN)は、Google Voice Assistantと連携し、独自の会話型人工知能を使用して、特に高齢者が将来の世代のために思い出に残る物語を提供する「Memory Lane」と名付けられたソリューションを発表しました。
Memory Laneは、高齢者の孤独という課題に取り組み、スマートスピーカーを通して人々と関わり合います。Memory Laneは、孤独な人に自分の人生の物語を語る事を誘うことにより、孤独な方との会話を可能にします。 Memory Laneは、未来の世代と共有できる物語を人と機械で共同執筆しているといった感じです。
Accenture Interactive Innovation Centerのディレクター、Christian Soucheは次のように付け加えています。
「参加者の家にMemory Laneを設置したところ、すぐに親密な会話が始まりました。それは昔の思い出と素晴らしい人生の物語を生み出しました。今まで一度も言われたことのない物語。これに先立って、音声技術は人間として認識されることはあまりありませんが、このプロジェクトとStockholm Exergiとのコラボレーションは、技術が世代を結びつけ社会をより健康にするのに貢献できることを示しています。やがて私たちはこのコンセプトとプラットフォームを全員に公開し、年齢に関係なくライフストーリーを共有したいと考えています。」
おもしろいのは、孤独だと思われていた方々には今まで誰にも語っていなかった物語がしっかりあり、語る相手がGoogle Voice Assistantという機械であっても語りだすということです。
いかにわたしたちの社会という環境が1人のひとの可能性に大きな影響を与えているのかということがわかります。
また同時にひとでしかひとの心を満たせないと思っていた従来の考え方を転換する時期にもきているということを示していると思います。
人にとってのwell-beingな日常とは何なのか?
それは人それぞれ固有でありバラバラでいいということですが、well-beingな日常と対岸にあるものが「孤独」だとすると、わたしたちは「語る」「対話」するということを通して孤独を抜け出し、そのひとなりのwell-beingな日常に一歩近づくことができるのだということが見えていきます。
そして、テクノロジーが世代を超えて1人のひとのwell-beingに溢れた日常という物語=貴重な知見を後世に提供することができ、最後まで社会的役割(=social role)を発揮することができるということ事態が非常に意義深いことであると思います。
引用元記事:https://www.businesswire.com/news/home/20190430005135/en/ (April 30, 2019 03:59 AM Eastern Daylight Time)
参考文献:
WE ARE LONELY,BUT NOT ALONE-現代の孤独と持続可能な経済圏としてのコミュニティ- 佐渡島庸平 幻冬舎