2月4日(火)、令和6年度「石川県介護助手活用促進事業」の第3回セミナーを七尾商工会議所にてハイブリッド開催しました。石川県が主導する本事業は、介護現場における介護職員の業務負担を軽減することを目的に、介護職員をサポートする「介護助手」の活用を促進する取り組みです。これまで昨年11月より「基礎マスター編」「介護助手導入準備編」とセミナーを開催してきました。
全3回のうち最終回となる今回は、「困難乗り越え編」と題し、介護助手導入に取り組む中で直面しやすい課題と、その乗り越え方についてお伝えしました。
セミナー内容
当日は、以下の内容で進行しました。
- これまでの第1回・第2回でお伝えした「介護助手導入の取り組みステップ」の振り返り
- 実際に介護助手を導入しているモデル事業所の取り組み紹介
- モデル事業所の職員によるエピソード共有
モデル事業所の取り組み紹介
今回、モデル事業所としてご登壇いただいたのは、社会福祉法人 緑会 デイサービスセンターせんじゅ・なでしこ様 です。昨年12月から短期間で集中的に取り組まれたにもかかわらず、介護助手導入のステップを一つひとつ着実に進められました。現在、多くの住民の方から応募があり、採用に向けた面接を進めている段階です。
同事業所では、介護助手に任せる業務の切り分け、説明資料の作成、説明会の実施 などに取り組みました。その過程をスライドを用いてご紹介しました。
現場の声:導入における課題と工夫
続いて、デイサービスセンターせんじゅ・なでしこの 北山施設長 と 嶽課長 に、導入の過程で感じたことや工夫した点、困難をどのように乗り越えたのかについて、弊社の鎌田が伺いました。
課題1: 周りの職員をどう巻き込むか
北山施設長によると、導入当初は「周りの職員をどう巻き込むか」が大きな課題だったとのことです。その際、介護関連の雑誌記事を職員に紹介しながら理解を深めた というエピソードを共有していただきました。普段から情報にアンテナを張っているからこそのエピソードだと感じます。
最初は不安もあったものの、経営層の熱意が現場に伝わるにつれ、徐々に理解者が増え、取り組みが前進。さらに、導入初期に 職員全員へのアンケートを実施 したことで、職員自身が「自分も関わっている」と実感できるきっかけになったとのことです。
課題2:介護助手に任せる業務の切り分け
嶽課長からは、介護助手に任せる業務の整理に苦労した というお話をいただきました。
職員同士で話し合う中で、自分たちの業務に対する認識が微妙に異なっていることに気づいたり、新人教育の際に適切に伝えられていたかを振り返る機会になったりするなど、結果的に「職員同士の対話が深まり、職場内の自分たちの業務の理解が深まった」とのことです。
求職者説明会の工夫と職場の変化
求職者説明会の準備においては、資料を分かりやすく作成するために試行錯誤 し、実際に参加者に伝わった際、嬉しかったと語られました。
また、説明会当日は、会場に参加していない職員も気になるほど、職場全体が関心を持って取り組んでいた とのことです。取り組みを進める中で職場全体に想いが伝わり、前向きな雰囲気が生まれたことが感じられました。
今後の展望
今後は、採用後の受け入れ体制を整え、介護助手が継続して働ける環境を整えていく ことが重要となります。また、今回のデイサービスでの取り組みを基に、法人内の他部署への展開も検討 されているとのことです。
北山施設長の「地域にはまだまだ活躍できる人材が眠っている。情報発信の大切さに気づいた」という言葉は、セミナーに参加された事業所の皆様にも強く響いたのではないでしょうか。貴重な体験を共有してくださったお二人に、改めて感謝申し上げます。
まとめ
人手不足は多くの事業所に共通する課題ですが、このような具体的な取り組みを共有することで、一歩を踏み出すきっかけになれば と考えています。