公休日を1日削減。”all supporting all”な社会づくりに挑むフランス

公休日を1日削減。”all supporting all”な社会づくりに挑むフランス

日本は少子高齢化に伴い、社会保障費の自然増は5,000億円/年に迫る規模となっており、消費増税によりこれらの難局を乗り切ることが必要だと言われています。
政府も、現役世代が他の世代を支える(=young supporting all)を軸としていた社会のあり方を、全世代で自分達を支え合う (=all supporting all)に変換していく必要性を主張しています。

このように社会保障の持続可能性が問われる時代、高齢者のwell-being(よりよく生きる)を支える原資をどう確保するか、ヨーロッパ各国でもさまざまな試行錯誤がなされています。

フランスの財源確保策

France to remove one bank holiday to fund elderly care”という記事によると、フランス政府は、高齢者支援の増加に伴う財源確保のために、労働者への追加給与なしに公休日を1日削ることを検討しているとのことです。この施策は当然物議をかもしており、労働者は高齢者との”連帯”を示してこの施策を後押しすべき、という意見もあれば、他者への資金調達のために強制的に働かされるべきではない、という意見もあるようです。

公休日を1日削ることで国は30億ユーロ(約3,660億円)もの原資を調達できる、と推計されています。高齢者ケアのための費用は、2024年までに62億ユーロ(約7,560億円)、2030年までには92億ユーロ(約1兆1,200億円)増加すると見込みだと政府は述べています。

また、政策顧問機関OCDEの経済学者であるステファン・カーチッロ氏は、「これによって私たちは、追加的なケアの資金を調達できると同時に、フランス市民の所得も守れるのです。これによって更なる資金が得られますが、他の解決策を見つける必要があります」と述べています。

TRAPEは、このような政策の国へのインパクトは、財政面での試算のみでなく、そもそもどれくらいの休日があるのか、国民性や文化的背景という視点を抜きにしては語れないと思います。

フランスは夏のバケーションを長く取る国として有名です。有給休暇の取得日数は年間30日以上(消化率もほぼ100%)と言われ、スペインやブラジルと並び「休日の多い国」と認識されています。
一方の日本は、「世界で最も祝祭日が多い国」だと言われますが、日本は有給休暇の取得日数・消化率ともに低く、祝祭日を加えても、トータルの「お休み」はフランスよりも年間10日以上少ないと言われています。

フランス政府は、「有給でがっつり休んでるんだから、祝日1日ぐらい減らしても大丈夫でしょ」と考えたかもしれません。日本政府は、「企業で働く人は有給消化できないので、国が強制的に祝日を増やして消費も盛り上げるか」と考えているかもしれません。

ただ、いずれにせよ、「どう働いて、どんな価値を産み出しているのか」、つまり生産性の議論が同時になされなければ、単なる高齢世代と現役世代の「価値の取り合い」議論になってしまい、殆ど意味がありません。

 

“all supporting all”しよう!

休日を減らさなくても、生産性が少し上がれば、結果的な付加価値(=財源)は増やすことができます。
休日を減らしても、疲れが溜まり生産性が落ちてしまえば、期待する財源は得られません。

あらゆる世代が、イキイキと働き、価値を産み出し、全体を支える一部としての役割を担う。
これが「all supporting all」ということだと思います。
したがって、世代を問わず、個々人が自分達のできることを最大限やり、価値を産み出す、ということが結果的に社会を支えることになる、ということを私達がちゃんと理解し、実践することが大事です。

日本では、「all supporting all」な社会づくりにむけて、「地域共生社会」という理念を掲げました。
その実現ために、さまざまな事業が展開されていますが、大事なのは「あなたの日常の活動をどう変えるか」(=目的)であって、「地域共生セミナーをやること」(=手段)ではありません。日本では、すぐにこの目的がおざなりなり、手段だけが広がっていきます。

あなたの地域で「あなたが(今までやってなかったけど)できること」を発揮することで、他のallをsupportすることに繋がります。
だからTRAPEは「あなたの可能性」「あなたの職場の可能性」「あなたの地域の可能性」に着目します。
そして、その可能性を実際に発揮するために、一緒に行動をしていきます。

今回のフランスの政策でも、高齢者のためだけでなく、現役の労働者にとっても、より働きがいのある仕組みや、生産性が上げられる仕組みを併せて検討していくことが必要ではないかと思います。

未来の世代にポジティブな贈り物をするために、”誰もがwell-beingな日常を手に入れることができる社会”というビジョンを信じ、それぞれができることを提供しあうこと、そのためのTry & Errorが必要なのだと思います。変化を恐れて何もアクションを起こさない、または批判を恐れて表面的な変更しかしない、ということでは、将来に課題を先送りしているだけです。

そして、Try&Errorのプロセスの中でも、とにかく多くの意見を聞き、「対話」を数多く重ね、カーチッロ氏の言うように、常に「他の解決策がないか探索し続ける」ことが重要なのだと思います。

日本を可能性に溢れた国にするために、「今」あなたのコミュニティで「対話」をはじめましょう。
“all supporting all”はあなたの行動によって一歩前に進みます!